落ち葉が積もった秋の森と木に立てかけた熊手

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11月に入ると、森の地面は落ち葉でふかふかになります。庭のある家では、毎日のように落ち葉を掃いている人も多いのではないでしょうか。

集めた落ち葉は、ごみとして出すこともできますが、時間をかけて積んでおくと、黒くてやわらかい土に変わっていきます。森の土も、もとをたどれば長い年月をかけて積もった落ち葉や枝です。この記事では、家の庭でできる落ち葉の腐葉土・堆肥づくりを、自治体の手引きをもとにまとめます。

この記事でわかること

  • 森の落ち葉が土になるしくみ
  • 腐葉土づくりに向いている落ち葉、向かない落ち葉
  • 囲いのつくり方と、落ち葉の積み方
  • 切り返しのタイミングと完成の目安
  • できた腐葉土の使い方

森では、落ち葉が土になっていく

森の地面を少し掘ってみると、上のほうはまだ形の残った落ち葉、その下は細かくくだけた葉、さらに下は黒っぽい土、というように層になっているのがわかります。落ち葉は、ミミズやダンゴムシなどの小さな生きもの、目に見えない菌のはたらきで少しずつ分解され、やがて土の一部になります。

腐葉土づくりは、森の中で自然に起きているこの流れを、庭の一角で少し早めてあげる作業だと考えるとわかりやすいと思います。落ち葉がなぜ秋に色づいて落ちるのかは「紅葉はなぜ赤や黄色になる?」で書いています。

腐葉土と堆肥のちがい

「腐葉土」は落ち葉が分解されてできた土、「堆肥」は落ち葉や草、生ごみなどの有機物を積んで発酵・分解させたもの全般を指すことが多い言葉です。この記事で紹介する方法は、落ち葉に米ぬかを加えて発酵を進めるので、「落ち葉堆肥」と呼ばれることもあります。呼び方は違っても、家庭でつくる目的は同じで、花壇や畑の土をやわらかくすることです。

向いている落ち葉、向かない落ち葉

川崎市宮前区の「落ち葉堆肥の作り方」では、堆肥づくりに向いている落ち葉として、ケヤキ、コナラ、クヌギなどを挙げています。どんぐりのなるコナラやクヌギの仲間は、身近で集めやすい落ち葉です。どんぐりの木の見分け方は「どんぐりの種類と見分け方」で紹介しています。

一方で、同じ手引きではイチョウ、クスノキ、スギの落ち葉は堆肥づくりに向かないとしています。分解に時間がかかったり、ほかの葉と性質が違ったりするためです。迷ったら、まずはコナラやケヤキなど、薄くてやわらかい広葉樹の葉から始めるのがおすすめです。広葉樹と針葉樹の違いは「広葉樹と針葉樹の違いとは?」で書いています。

種類例ひとこと
向いているケヤキ、コナラ、クヌギ薄くてやわらかく、分解されやすい
向かないイチョウ、クスノキ、スギ分解に時間がかかりやすい

集めるときは、枝や石、ビニールごみなどをできるだけ取り除いておきましょう。

落ち葉を集める道具

落ち葉を集めるには、竹や樹脂でできた熊手が便利です。地面の苔や芝を傷めにくく、軽い力で落ち葉をかき集められます。集めた落ち葉を運ぶには、大きめの袋や、口の広い容器があると作業がはかどります。

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囲いをつくる

手引きでは、木や竹、ネットなどで枠をつくり、その中に落ち葉を積む方法が紹介されています。下が土になっている囲いのほうが、堆肥づくりには向いているとされています。土の中の生きものや菌が、下から落ち葉に入ってきやすいためです。

竹で囲いをつくる場合の例として、手引きでは次のような方法が紹介されています。

  • 竹の杭を約40cm間隔で、奇数本、10cm以上の深さに打ち込む
  • 割った竹を杭のあいだに編み込み、高さ30cmほどの囲いにする
  • 深くしすぎると、あとでかき混ぜる(切り返す)のが大変になる

ベランダや、土の上に囲いを置けない場所では、市販の堆肥づくり用の容器や、通気のよい袋を使う方法もあります。

木枠の中に積んだ落ち葉と、黒く分解が進んだ土
下が土の囲いに落ち葉を積んでいく(※画像はイメージです)
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落ち葉の積み方

手引きで紹介されている積み方は、次のくり返しです。

1. 落ち葉を3〜4cmほどの厚さに入れる
2. 米ぬかを薄くまく
3. 落ち葉を足で踏んで、くだく
4. 全体がしっとりするくらいに水をまく

これを、囲いがいっぱいになるまで何度もくり返します。乾いたままの落ち葉はなかなか分解が進まないので、水でしっとりさせるのがポイントです。ただし、水をかけすぎてびしょびしょにすると、においが出やすくなるので気をつけましょう。

切り返しと完成の目安

積んだあとは、月に1回くらい、全体をかき混ぜる「切り返し」をします。空気を入れることで、分解が進みやすくなります。乾いていたら、米ぬかを薄くまいて水を足します。庭の草取りで出た草なども一緒に入れると、分解が進みやすいとされています。

完成までは半年から1年ほどかかります。手引きの例では、11月に積み始めて、翌年の10月ごろに完成したと紹介されています。葉の形がほとんどなくなり、黒っぽい土のようになったら完成の目安です。

秋に集めた落ち葉が、次の秋に土になる。森の時間の流れを、庭で感じられる作業です。

できた腐葉土の使い方

できあがった腐葉土は、花壇や畑の土に混ぜて使います。手引きの例では、花壇の土に混ぜることで土がふかふかになり、乾燥にも強くなったと紹介されています。

植木の根もとに薄くまく使い方もあります。昔の里山では、雑木林の落ち葉を集めて堆肥にし、畑に入れていたと言われます。人と森の関わりについては「里山とは何か」もあわせて読んでみてください。

作業するときの注意

  • 落ち葉の中には、枝のとげや、虫、ときにはハチが隠れていることがある。厚手の手袋をつける
  • 公園や道路、人の土地の落ち葉を勝手に持ち帰らない
  • においや虫で近所に迷惑がかからない場所を選ぶ
  • 病気にかかった木の葉は、ほかの植物にうつるおそれがあるので入れない

手袋の選び方は「作業用手袋の選び方」で紹介しています。

よくある質問

Q. 米ぬかがないとつくれない?

A. 米ぬかがなくても、落ち葉は時間をかければ分解されます。米ぬかを入れると、分解を進める菌のえさになり、発酵が進みやすくなると言われています。

Q. マンションのベランダでもできる?

A. 通気のよい袋や容器を使えば、少量ならつくれます。ただし、においや虫が出ることもあるので、管理規約や近所への配慮を確認してから始めてください。

Q. 冬のあいだも切り返しは必要?

A. 寒い時期は分解がゆっくりになりますが、ときどき様子を見て、乾いていたら水を足しておくと安心です。

落ち葉は、森からの贈りもの

落ち葉掃きは手間のかかる作業ですが、集めた葉が一年かけて土に戻っていくと思うと、少し楽しくなります。森の木が葉を落とし、その葉が土になり、また木を育てる。庭の一角で、その循環を見てみませんか。

Instagramでは、秋の森の落ち葉の写真も載せています。よければのぞいてみてください。

参考資料

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