切り株の上に置いた鞘付きの鉈と焚き付け

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鉈(なた)は、枝を払ったり、細い木を切ったり、焚き付け用の薪を細く割ったりするのに使う刃物です。昔から山仕事や農作業で使われてきた、日本の暮らしに根づいた道具です。

最近は、キャンプで焚き付けをつくる道具として鉈を手に取る人も増えています。ただ、刃物である以上、選び方や使い方、持ち運び方には気をつけたいところです。この記事では、鉈の種類と選び方、斧との使い分け、安全な使い方と手入れ、持ち運びの注意をまとめます。

この記事でわかること

  • 鉈でできること、斧との違い
  • 片刃と両刃の違い
  • 刃の形(腰鉈・剣鉈など)と重さの選び方
  • 安全な使い方と手入れのしかた
  • 鉈を持ち運ぶときに気をつけたいこと(銃刀法)

鉈とは?斧との違い

鉈も斧も木を割ったり切ったりする道具ですが、得意なことが違います。

道具刃の形得意なこと
鉈幅広で長めの刃枝払い、細い木を切る、焚き付けを細く割る
斧厚みのあるくさび形の刃太い薪を割る、木を切り倒す

太い薪をいくつかに割るのは斧の仕事で、割った薪をさらに細くして焚き付けにするのは鉈の仕事、と考えるとわかりやすいと思います。斧の選び方は「薪割り斧・手斧の選び方」、柄の長さの違いは「斧は柄が長い方がいい?短い方がいい?」で書いています。

片刃と両刃の違い

鉈の刃には、片側だけが研がれた「片刃」と、両側が研がれた「両刃」があります。

種類特徴向いている使い方
片刃刃が木に食い込みやすい枝払い、竹や細い木を切る
両刃刃がまっすぐ入り、割る力が左右に均等にかかる薪を割る、焚き付けをつくる

一般的に、片刃は枝を払うときに刃が木にすっと入りやすく、両刃は木をまっすぐ割りやすいと言われます。主に焚き付けづくりに使うなら両刃、山や庭で枝を払うことが多いなら片刃、というのがひとつの目安です。片刃には右利き用・左利き用があるものもあるので、買う前に確認しましょう。

割った細い焚き付けを薪割り台の横に積んだ様子
焚き付けを細く割るのは鉈の得意な仕事(※画像はイメージです)

刃の形と重さの選び方

腰鉈(こしなた)

四角い形の刃が多く、山仕事や農作業で昔から使われてきた形です。枝払いや焚き付けづくりなど、いろいろな作業に使えます。

剣鉈(けんなた)

先がとがった形の鉈で、枝払いのほかに、細かい作業にも使いやすい形です。

重さの考え方

鉈は、重さを使って振り下ろす道具です。重いものは一振りの力が強くなりますが、長く使うと腕が疲れやすくなります。軽いものは扱いやすいぶん、太い枝には時間がかかります。初めての1本は、片手で無理なく振れる重さのものを選ぶのが安心です。

鞘(さや)つきを選ぶ

むき出しの刃は、持ち運ぶときや保管するときにとても危険です。鞘がついているもの、または別に鞘を用意できるものを選びましょう。

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安全な使い方

  • 作業の前に、まわりに人がいないか、振りかぶったときに枝や物に当たらないかを確認する
  • 厚手の手袋をつけ、足もとは安全靴など足を守る靴にする
  • 焚き付けを割るときは、薪を薪割り台の上に置き、刃の延長線上に手や足を置かない
  • 細い薪を手で支えたまま鉈を振り下ろさない(薪に刃を軽く食い込ませてから、薪ごと台に打ちつける方法もある)
  • 疲れたら休む。疲れてくると狙いがずれやすくなる
  • 使い終わったら、すぐに鞘に戻す

手を守る手袋については「作業用手袋の選び方」で紹介しています。木を切り倒すような作業や、高い場所の枝を切る作業は危険をともなうので、自分でやろうとせず、専門の業者に相談するか、講習を受けてから取り組んでください。

焚き付けづくりの手順

鉈がいちばん活躍するのが、焚き火や薪ストーブの火おこしに使う焚き付けづくりです。安全に進めるための基本的な流れをまとめます。

1. 薪割り台(太い丸太の輪切りなど)を、ぐらつかない平らな場所に置く
2. よく乾いた、節の少ない薪を選ぶ(スギやヒノキなど針葉樹の薪は割りやすく、火もつきやすい)
3. 薪を台の上に立て、木口(切り口)の端のほうに刃を軽く当てる
4. 刃を少し食い込ませたら、手を薪から離し、鉈ごと薪を台に打ちつけて割る
5. 割れた薪をさらに半分、さらに半分と、指くらいの太さになるまで細くしていく

薪の真ん中より、端のほうを少しずつ削ぐように割るほうが、力が少なくてすみます。いきなり細くしようとせず、少しずつ割っていくのがコツです。たくさん作っておくと、焚き火のたびに慰てずにすみます。

柄の素材と握りやすさ

鉈の柄には、昔ながらの木の柄と、樹脂などでできた柄があります。木の柄は手になじみやすく、樹脂の柄は水や汚れに強いものが多いと言われます。

どちらを選ぶにしても、手袋をした状態でしっかり握れるかを確かめておきましょう。柄が細すぎたり、すべりやすかったりすると、振り下ろしたときに手からすっぽ抜けるおそれがあります。

手入れと保管

  • 使ったあとは、木のやにや汚れを拭き取る
  • 水に濡れたら、よく乾かしてから薄く油をぬってさびを防ぐ
  • 切れ味が落ちたら、砥石で研ぐ(刃の角度を変えないように気をつける)
  • 柄がぐらついていないかを、使う前に確認する
  • 子どもの手の届かない場所に、鞘に入れて保管する

切れない刃物は、余計な力が必要になり、かえって危ないと言われます。こまめに研いでおくことが、安全につながります。

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鉈を持ち運ぶときの注意(銃刀法)

鉈は便利な道具ですが、持ち運び方には法律の決まりがあります。静岡県警察の案内によると、銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)では、業務その他正当な理由なく、刃体の長さが6cmを超える刃物を携帯することは禁止されています。対象となる刃物の例として、包丁やナイフとならんで、なたやおの、のこぎりも挙げられています。

ここでいう「携帯」は、すぐに使える状態で身につけたり、自分の手元に置いたりすることを指します。仕事で刃物を使う人でも、必要がないのに持ち歩くことは、業務のための携帯とは認められないとされています。また、護身用は正当な理由に当たりません。

  • キャンプや山仕事で使うときは、その目的のときだけ持ち出す
  • 運ぶときは鞘に入れ、ケースやバッグにしまう
  • 使い終わったら、車に積みっぱなしにしない

判断に迷う場合は、最寄りの警察署に確認すると安心です。

よくある質問

Q. 鉈と斧、最初に買うならどちら?

A. 太い薪を割ることが多いなら斧、焚き付けづくりや枝払いが中心なら鉈が向いています。キャンプで市販の薪を細くするのが目的なら、鉈から始める人も多いです。

Q. 鉈で薪割りはできる?

A. 細めの薪を割ることはできますが、太い薪を割るのは斧のほうが向いています。無理に太い薪を割ろうとすると、刃が抜けなくなったり、刃を傷めたりすることがあります。

Q. 力に自信がなくても鉈は使える?

A. 軽い鉈を選べば扱いやすくなります。無理に力で割ろうとせず、薪の端から少しずつ割るのがコツです。子どもが使う場合は、大人がそばで見守り、使い方を教えてから使うようにしてください。

道具は、使い方まで含めて選びたい

鉈は、使い慣れるほど手になじんでくる道具です。だからこそ、選ぶときから使い方、手入れ、持ち運び方までを含めて考えたいところです。焚き付けができたら、焚き火台の選び方は「焚き火台の選び方」もあわせてどうぞ。

Instagramでは、山で使う道具の写真も載せています。よければのぞいてみてください。

参考資料

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